羽の家 / wing room

2020年 東京都北区 専用住宅 RCマンションフルリノベーション   窓際のランドスケープ 赤羽台の台地の上に建つ築26年のマンションの1室のリノベーションの計画。 若い夫婦と小さな子供の3人家族の住まい手は、パノラマ状に緑地や都市的な景観を見下ろすことができる高台からの眺望が魅力的な角部屋を見つけ、豊かな表情をもつ窓際を生活の拠り所とするリノベーションを構想した。 そこで、水まわりの閉じた空間を北西に集約し、外被と最大限に接するように南東外壁に面してL型のワンルーム状の生活空間を計画。そして、既存の5つの窓を一体化するように、木の造作カウンターや窓上シェルフ、羽目板の壁面をぐるりと廻した窓際のランドスケープをデザインした。   暮らしと光のカタチの統合 窓際の木造作は、モノと生活の中心になるとともに、自然光を室内に拡散して引き延ばす役割も担うように調整し、暮らしと光のカタチを統合する造形とした。 窓側と対面には水回りの閉じたボックスを挿入し、僅かなテクスチャのあるシルバー塗装を施すことで、自然光を受けて窓と対の高輝度面として知覚される。シルバー壁に反射した光は、自然光の移ろいを増幅させるとともに、対面の窓と壁の輝度対比を和らげて不快なグレアを抑える。 また、東のバルコニーに面した一皮の床面は、光沢のある白いタイルとすることで、朝陽を受けて床面が輝いて光を引き込み、朝の時間を艶やかにする。   変化を受容する寛容な設え 小上がりにはカーテンや建具の設置を許容する鴨居状の木フレームを廻し、子供の成長に応じてフレキシブルに使い方の変化を受容できる空間として設えた。 さらに、天井・梁・壁の一部はコンクリート躯体表しとし、節目の荒々しい木柱や下地のラワン合板を使用するなど、ラフなテクスチャを同居させることにより、家族のライフステージの変化に合わせて家に手を加えやすい寛容な設えを目指した。   Co-Architect Hikaru Takei.   Photographs © Ookura Hideki / Kurome Photo Studio   Web media cowcamo MAGAZINE architecturephoto.net   Product Information TECTURE

安城の家 / Villa801

2019年 愛知県安城市 専用住宅 RCマンションフルリノベーション   老後の暮らしに合わせたマンションリノベーション 愛知県郊外における築34年のマンション住戸のスケルトンリノベーション計画。60代の夫婦のクライアントは、ライフステージの変化に伴い、新築時から住み続けている住戸の改修を求めていた。そこで、長く健康に暮らす場として設え直すために、設備の更新、室内のバリアフリー化、内装の木質化などを行うとともに、暮らしに寄り添った光・風・熱環境へと調整することを試みた。   "習慣の継承"と"環境の更新" 平面計画としては、長年の暮らしの中で身体に染み付いた生活動線と空間記憶を尊重し、水回りやリビング、畳の部屋の位置など主要な動線に関わる部分は継承することとした。一方で、改修前の住戸は、上部が勾配屋根スラブにも関わらず、それを隠すようにフラット天井となっており、出窓についても生活とは解離していて、最上階・角部屋のもつポテンシャルが活かれていなかった。そこで、既存躯体のもつ空間性を咀嚼しつつ、光・風・熱環境を頼りに場所毎の多様性と全体の連続性を獲得するように環境を更新できないかと考えた。   暮らしに寄り添う光・風・熱環境 リビングの勾配天井は、マンションでありながらも戸建て住まいのような開放感と高揚感をもたらすとともに、南の開口部から入射する光によって柔らかく照らされ、高輝度の明るい面を形成する役割を果たしている。客間と玄関の間に躯体に沿って設けられた室内窓は、暗がりだった玄関に光を挿しこみ、風環境を向上させるとともに、視覚的にもリビングからの抜けを作っている。北西の出窓を拡張したニッチ状のソファスペースは、リビングと対になる小さな籠りの空間であるが、夏の西日による熱気や冬のコールドドラフトによる冷気を緩衝する温熱環境の中間領域としても機能する。建具は全て引戸とし、開閉の度合いで自由に環境を調整できるようにしている。そして、建具と同じラワン合板の衝立壁と共に住戸全体の連続性を演出する断片的な要素として設えている。   Collaborative design for kitchen and furniture Scale Inc. Photographs  © Ookura Hideki / Kurome Photo Studio (1-21) Product Information TECTURE