
建築費の高騰により、新築よりも既存住宅をリノベーションして住まう選択肢は一般化した。都心部では土地価格の高さもあり、マンションリノベの人気は高い。
ただしマンションの窓サッシは共用部にあたるため、容易には手を入れられない。自然光・風・眺望を取り込む窓は空間全体の印象を決定づける要素であり、空間デザインの要点になる。
「羽の家/wing room」は、東京都北区の台地の上に建つ築26年のマンション1室を改修する計画である。30代夫婦と小さな子ども1人の住まい手は、パノラマ状に緑地や都市景観を見下ろせる角部屋に魅力を感じ、窓際を生活の拠り所にするリノベーションを構想していた。
窓は南面に腰窓が3つ、東面に掃き出し窓が2つの計5つ。これらをバラバラに見せず、一体の大きな窓辺空間となって暮らしの中心になるように、L字型のワンルームに再編し、南東の壁面を羽目板で連続仕上げとして意匠性を際立たせた。
さらに、窓の高さに合わせたカウンターや窓上のシェルフを造作して、既存窓が居場所の手がかりになるように計画。羽目板と造作を合わせて「木の羽」と名づけ、屋外環境と室内全体をゆるやかにつなぐ「窓際のランドスケープ」を目指した。
窓を手がかりにしたデザインによって、マンションリノベでありながら、この場所・この部屋にしか現れない固有の風景を生み出している。

写真:大倉英揮
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竹味佑人建築設計室
YUTO TAKEMI ARCHITECTS WORKSHOP
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