
コロナ禍を契機に、人との距離や都市生活のあり方が見直され、自宅で過ごす時間や住まいへの意識も大きく変化した。地域とつながりつつ自立して暮らせる住まいの価値が再評価される一方で、個と公共のあいだにどんな余白を設けるかが重要な課題になっている。
「戸越銀座の賃貸併用住宅/Toritor(通リ通ル)」は、活気ある商店街の裏手という立地を活かし、住まいを単なる生活の場にとどめず、まちに開かれた小さな広場(tori)と、都市の奥性(通り)を楽しむような、奥行きのある集住体として構想された。
オーナーは、住宅ローンの範囲で実現可能な小規模事業として賃貸併用住宅を計画。「個人の生活の場」と「まちとつながる小さな拠点」が重なる建築のあり方を模索した。
賃貸部分は、可変性と収益性を備えたシェアスペース/SOHO/短期滞在(民泊等)に柔軟に対応できる構成としている。働き方やライフステージの変化に応じて住まい方を選べることが、不確実性の高い現代において、暮らしの安定と都市との関係性をしなやかに築く手段となる。
さらに1階には地域に開いたシェアスペースを配置。オーナー自らが運営に関わることで、生活と事業を重ねながら、日々の交流を通じて地域との関係性を育む。
この計画は、私的空間と公共性を行き来する、現代都市における小さな居住のプロトタイプでもある。

戸越銀座通り(写真:YTAW)

オーナー住戸

2階賃貸住戸

1階賃貸住戸

シェアスペース

配置構成ダイアグラム
特記なき写真:高栄智史
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竹味佑人建築設計室
YUTO TAKEMI ARCHITECTS WORKSHOP
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